2025/06/22 11:16
滋賀県の彦根市でだけ遊ばれている彦根カロムというボードゲームがあります
彦根カロムはかつて日本全国で遊ばれていたという記録もあるのですが、
現在はなぜか彦根市にのみ残っている伝統ゲームです
ルールはかなり単純で、
ストライカーを使って決められた色を四隅のどこかに落としていき、
真ん中にあるジャックを先に落とした方が勝ちというもので、
大人も子供も楽しめる遊びです
こちらの動画を見ると細かいルールを知ることができます
この彦根カロムを店主はかなり好きで、彦根カロムのイベントを開いたこともありますし、
古本市など本のイベントでも彦根カロムの体験ブースを開いたりしていました
古本市など本のイベントでも彦根カロムの体験ブースを開いたりしていました

こちらは本屋の前で夕涼み彦根カロム会を行ったときの写真です
とある本のイベントで来場者と彦根カロムで遊んでいると、
とんでもなく彦根カロムが上手い方が来られました
あまりに上手いので驚いていると、
名刺を渡していただけました
そこには彦根カロムのチャンピオンという文字があり、
「ついに滋賀の本場の方が来られた」と驚嘆しました
物腰の柔らかい方で聞くと東京カロムクラブを主催しているそうで、
そこから彦根カロムの定例会に呼んでいただけるようになりました
その方はYoutubeチャンネルもやっていて、ハイレベルな試合を見ることができます
ちなみに別のタイミングにもまた来ていただけて、
その時のことは別の方が記事にしてくれています
彦根カロム定例会に参加していると、
「彦根カロムの日本大会が今度あるから出ませんか?」という話をいただき、
せっかくなので一緒に参加させていただくことにしました
当然のことながら滋賀県の彦根市にて行われる年1回の大会で、
県内のみならず日本全国から彦根カロムの猛者が集います
(ちなみに今年は西は鳥取から東は福島から参加されている方がいました)
大会の2週間ほど前に東京カロムクラブの代表の方から連絡があり、
製造元の奥居仏具店さんへ見学もさせていただけることになりました
東京カロムクラブの代表の方には重ねてお礼申し上げます

今年のカロム日本選手権大会のポスターです
左にいるキャラクターは「カロム王子」といい、ひこにゃんの友だちだそうです
大会前の2週間前くらいからリビングに常に彦根カロムを出していつでも練習できるようにしておいたのですが、
結果として2日くらいしか練習できませんでした(笑)
いよいよ滋賀に向かう日となり、
新幹線を乗り継いで彦根へ向かいました
最初は彦根カロムの製造元である奥居仏具店さんに向かいました
ここで聞いた話は何か本などにしてまとめる予定なので、
このブログでは簡易的な報告に留めますが、
なぜかつては日本中にあった彦根カロムが彦根にだけ残ったのかなど
かなり貴重なお話を聞くことができてとても満足でした

色付けしたパックを乾かしているところです

ロウと一緒にパックを混ぜてパックにつやを出す工程です
試しに機械を回してもらったのですが、非常に大きな音で驚きました

全ての工程を終え出荷されるのを待つ彦根カロム盤です
ストライカーを作る工程を試しに体験させていただくこともできました
しかも作ったストライカーをプレゼントとしてくれたことは本当にうれしかったです
翌日の大会ではマイストライカーの使用が認められていることを思い出し、
私はここで作ったストライカーで大会に参戦することにしました
見学は地元の強豪選手も来ていたのですが、
そこで「エンジョイカロム」という会がやっていることを聞きました
飛び入り参加も歓迎だそうで、地元の方と関われる貴重な機会だと思い、
参加させていただくことにしました
公民館のような場所でやっていて、
ご高齢の方が和気あいあいとカロムを楽しんでいる良い雰囲気のイベントでした
地元のおばあちゃんたちとプレイさせていただくことになり、
早速一戦交えたのですが、異常なほどの強さで驚きました
「どう考えても入らないからここは適当に打つのかな」と感じるような部分で、
いくつもパックを入れていったり、
力強いショットで厳しいコースを綺麗に入れていく様は美しさを感じました
また右利きにも関わらず左手でもショットを打てる方も居て、
地元のレベルの高さを思い知りました
皆さんは本当に親切で打ち方や考え方を丁寧に教えていただき、
明日の大会に出る方も居て明日は一緒に頑張ろうという話もできて良かったです
そこから長浜のホテル「グランドメルキュール」へ向かいました
チェックインを済ませホテルをうろついていると、
なんと彦根カロムがありました

モニターでは常に彦根カロムのルール映像が流れていて、
宿泊者であれば誰でもプレイできるようになっていました
彦根カロムを遊んでいる家族もいて、
地元に愛されているゲームなんだなと改めて思いました
ここで明日の大会に備え最終調整を行えたのは大きかったです
早めに寝て、明日の大会に備えました
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翌日は急遽タクシーを呼ぶことになったりと色々あったものの、
無事に受付時間内に会場入りすることができました

想像していたよりもはるかに大きいアリーナで驚きました
マイストライカーの申請も無事に通り、昨日作ったストライカーにて参戦できることが正式に決まりました
彦根カロムはシングルスとダブルスがあるのですが、
私はシングルスにエントリーし、妻と組んでダブルスにもエントリーしました

恐らく参加人数は100名規模だったと思います
開会式では彦根市長ならびに彦根カロムのイメージキャラクターであるカロム王子も来ていました

カロム王子はひこにゃんの友だちだそうです
登場してしばらくすると「公務」があるため、帰ってしまいました

初戦前の最終調整をしています
予選から始まるのですが、予選は7人のリーグ戦で総当たりし7回試合を行います
そこで上位3名が本戦に出場することができます
私は今回が初参加ということもあるのと地元のハイレベルさを感じていたので、
1勝できたら良いなという思いで臨んでいました

初戦の相手は中学生ぐらいの方で、とんでもなく緊張していてなぜか私も緊張してきてしまいました(笑)
恐らく緊張していなかったらものすごく強い方だと思うのですが、
緊張のせいでミスショットが多々見受けられなんとか勝つことができました

こちらは予選の最終戦です
私は負けてしまったのですが最後に聞くと東京の多摩地域でカロムをかつてやっていた団体があり、
その団体にお子さんが通っていたのですが自分がはまってしまい今回の大会に出られたとのことでした
しばらく彦根カロムはやっていなく2年ぶりに彦根カロムに触れたとのことでしたが、
とんでもなく上手い方で以前に相当やっていたんだろうなと思いました
予選の結果は3勝4敗でした
結果として本戦には出れませんでした
ただ、2試合は勝てるチャンスがあった試合だったので、
確実にパックを入れる練習をもっとする必要があると感じました
その後妻とダブルスに出場しました
結果として1勝6敗だったのですが、
ダブルスはかなり経験がものをいうんだなと感じました
練習はしていましたが、盤面に対して考える量が多くもっと試合で経験を積む必要があると感じました
ただ、東京カロムクラブの代表はシングルスで着実に勝っていて、
準決勝まで駒を進めていました
緊張の準決勝は動画になっています
序盤について僭越ながら軽く解説させていただくと、
両者ともにストライカーをバウンドさせてパックを自分のほうに来るようにする戦術を取っています
(パックが手前に来る方が入れやすくなるためです)
団子状態が続きなかなか入れずらい中、
東京カロムクラブの代表が見事なショットで決めています(14:35~の部分です)
ここで見事勝利し決勝に進出することになりました
決勝は黄金のカロム盤が使われることになっています
黒の部分は漆塗りで決勝でしか使われることはないです
プレイするとかなり滑ると言われています

張り詰めた空気の中、決勝戦が始まりました
決勝戦は先に2勝した方が勝ちとなります
初戦に勝ったのは東京カロムクラブの代表でしたが、
そこから2勝されてしまい惜しくも惨敗となってしまいました
ただ準優勝という誇らしい成績を上げられてことは純粋にすごいと思いました
最後にしっかりと表彰式もあり、銀メダルと賞状を獲得されていました

日本の伝統ゲームも色々調べたり遊んできましたが、
恐らく最も地域に普及している伝統ゲームは彦根カロムなのではないかと思います
大会の参戦者もコロナ前は今年の倍以上の人数が来ていたそうですし、
日本カロム協会もあり団体としてうまく機能しているように感じました
県外にもカロムを中心にした団体があったりもしますし、
地域で彦根カロムのコミュニティもできあがっていて、
もっとメジャーになっても良いゲームではないかと思いました
実際、私もイベントで彦根カロムをやる際はルール説明が簡単で、
老若男女問わずプレイできるのでかなり重宝しています
聞いた話だとかつて渋谷に彦根カロムが置かれていたバーがあったそうで、
そこは飲みながら彦根カロムをプレイできたのでとても楽しいバーだったそうです
(難しいショットが入ったり簡単なショットで失敗すると歓声があがったそうです)
ポテンシャルを秘めた伝統ゲームだと感じていて、
もう少しメジャーになってもいいのになと思っています
そんな思いを感じたりしながらホテルに戻りました
琵琶湖を望む夕日がきれいでした

琵琶湖は湖なので海と比較して波が落ち着いていて、心地よいと感じました
長浜という場所もゆったりした場所で、すてきな地域だなと思いました
その日も長浜で一泊し、次の日は彦根観光をしました

彦根城に行きました
意外とスリムなサイズのお城でしたが、急な階段が続いて驚きました
上からは琵琶湖が眺められて良かったです

昼に食べたうなぎや源内のひつまぶしです
関西風のうなぎなので焼き方が関東と違いパリッとしていて絶品でした
(個人的には関西風のうなぎの方が好きです)

ひこにゃんミュジアムに行きました
グッズ展開がかなり多く万博のコラボグッズや絵本などもあって驚きました

彦根で見つけた武者小路実篤の言葉です
武者小路実篤は私がかなり好きな作家で、相変わらずいい言葉だなと感じました

中野商店というかつてカロムを作っていた会社の前に書かれていた絵で、
彦根カロムに興じる人々が描かれています

滋賀県の名店「club harie」にてキャロムパイが売っていました
彦根カロムをモチーフにしたと思われるお菓子で、
美味しかったです!
ここでお土産を買って、帰路につきました
東京カロムクラブの代表のおかげで、
奥居仏具店さんへの見学や地元の方と彦根カロムを楽しむことができました
重ねてお礼申し上げます!
今後も彦根カロムを遊んでいこうと思っていますので、
またこういった機会があればブログや本にまとめようと思います
ここまで読んでくださったすべての方に深く感謝申し上げます